金沢の地形を見ると多いだろうなって思います、坂。
金沢市内には二つの大きな川が流れています。山の間をこの川が流れ平野と台地になっているのが金沢です。ですから、金沢市内を移動するときは川を渡ることも多く、そのたびに丘陵地を上り下りすることになります。
金沢で最も大きな川、犀川に沿うようにあるのがこの清川町です。このため高いところから川までのいくつかの道が坂になっているんですね。
もっと古くは仙人町と言われていた町で町名の由来は諸説あるようですがこんな荒れたところに住むことができるのは仙人しか居ないから仙人町と命名されたと石碑にも書かれています。どんな仙人さんがいたのかなぁ。
今回はこの清川町の特徴である「坂」の紹介です。
坂マニアの方にはたまらない街ですよ~
桜坂
犀川から寺院がたくさん集まっている寺町へ上る坂です。まっすぐ伸びているこの坂は上るにつれて金沢の町並みがよく見えるようになります。加賀藩がお城から見えるこの辺りに桜の木を植えたことから名前がついたとのこと。花見の季節はきれいな景色が楽しめます。
新桜坂
登り口は桜坂と同じ場所で、犀川に架かる桜橋に通じます。市街地から南のほうへの車での通行はこの坂がメインとなる交通量の多い坂道です。
ところで、坂と言えばやっぱり高いところから見える景色って気になりますよね~
坂の途中で一息ついて、ふと景色を見ると足元の川から金沢の街並みが広がり、その奥には山々が見えます。高いビルなどがなく、瓦屋根が目立つこの景色を見ると思うんですよ、「THE KANAZAWA」だと。
春には多くの桜で色づき、冬には雪景色が広がります。金沢の四季を体感できる素敵な坂です。でも、冬場は路面が凍ると登るの大変なのでご注意を!
石伐坂(W坂)
こちらも、沢山のお寺が立ち並ぶ寺町通りから犀川に降りる際に使われる坂です。犀川に架かる桜橋につながるジグザグの坂で、下から見ると「W」の文字が横になったように見えることからこの名が付けられたそうです。
でも正式名称は石伐坂(いしきりざか)といいます。坂から見る金沢の町並みや犀川の流れは「あぁ、金沢だなぁ」って景色ですよ。
不動尊横の坂
犀川沿いの道から桜坂に昇る近道のような階段です。登り口には不動尊などが祀られています。坂の上にお住まいの方々がお参りしやすいように作られた坂なのかなぁ
長良坂
こちらは清川町の隅っこにある坂道で、下菊橋につながります。登った先の町の名前が古くは長良町という町だったのでこの名がついたそうです。犀川のがけふちにあり、川からの風が強く吹き上げてくるので吹上とも呼ばれていた坂です。下ったところには加賀料理で有名な料亭「金茶寮」さんが構えます。
つばや坂
川沿いの道からちょっと奥へ入らないと見つからないわかりにくい坂道です。甚兵衛坂という名前でも呼ばれるそうです。国本 昭二著「サカロジー 金沢の坂」の中で「つばや坂」と命名されたことから、その名で呼ばれることが多いとのこと。
登ったところに「つば甚」という料亭があります。この「つば甚」のご主人の名前が甚兵衛さんで、甚兵衛坂と呼ばれる由来ともいわれています。狭い階段状の道で舗装もなく、途中何度も折り返す階段です。
いかがだったでしょう?
学生の頃には上り下りが大変だとしか思わなかった坂道にあらためて行ってみたら、いろんなことに気づきました。坂の途中から見える景色がきれいで、足元の苔や古びた感じがまたいい風情です。行ってみてよかったな。
犀星のみち
清川町は金沢に流れる犀川に沿ってある街です。その犀川に沿って道が伸びています。紹介した坂道はこの川沿いの道、「犀星のみち」から伸びているんです。この並木道は400mほどの桜並木で春にはそれはそれは素敵な景色を見せてくれるんです!